ザフランスキー『E.T.A.ホフマン ある懐疑的な夢想家の生涯』~ドストエフスキーも愛したドイツ人作家のおすすめ伝記

この本のありがたいのはホフマンが生きた時代の社会や文化、時代背景を解説してくれるところにあります。

ホフマンが生きた1776年から1822年のドイツというのはゲーテやシラー、ショーペンハウアー、ヘーゲルが活躍した時代でもあります。またホフマンが生まれたケーニヒスベルクはあのカントが住んでいた街です。しかもカントは1724年生まれの1804年没ですのでまさしくカントが活躍していた街でホフマンは生れたのでした。

そういう意味でもザフランスキーがこの本で語る時代背景や文化は、他のドイツ人哲学者の背景を知る上でも非常に役に立ちます。

ホフマンその人を学びながら他の哲学者の人生と絡めて私たち読者は考えていくことができます。これは楽しい読書でした。