ニーチェのデビュー作『悲劇の誕生』概要と感想~哲学者ニーチェの特徴を知るのにおすすめ

ニーチェは元々古典文献学者でした。ニーチェは古代ギリシア文献を当時の学問的常識とは全く異なる視点で見ていこうとしました。その試みの結晶がこの『悲劇の誕生』という作品になります。

「アポロ的とディオニュソス的」という有名な概念はそうした試みから生まれた概念になります。

文献学者という枠には収まりきらない、哲学者ニーチェの歩みがここから本格的に始まっていくのでした。

そうしたニーチェ哲学の始まりを知る上でもこの作品は非常に重要なものとなっています。

しかも私の個人的な感想ですが、『ツァラトゥストラ』をはじめ後半の作品群と比べても文章がわかりやすいような気がします。ニーチェ作品の中では読みやすい部類に入ると私は思います。