(6)レーニンが受けた寛大なシベリア流刑~過酷なドストエフスキー流刑時代との違いとは

レーニンは海外旅行から帰国後の1895年12月、革命活動の容疑で逮捕されます。これが彼にとっての初めての逮捕となりました。

ですが想像以上に監獄は緩かったようです。むしろ快適とさえ言えたかもしれません。レーニンはこの監獄期間を利用したくさんの本を読み、政治的著作の執筆まで行っています。

差し入れも自由で、監視をかいくぐっての秘密のメッセージ交換までしていました。

これでは革命家を捕まえて監獄に入れた方が政府にとっては都合が悪いのではないかと思ってしまうほどです。

ドストエフスキーが逮捕された1849年の時とはまるで違う状況です。その頃の留置はかなり過酷で発狂する者や命を落とす者もいたというのですからその違いは歴然であるかと思われます。