ベルジャーエフ『ドストエフスキーの世界観』~亡命ロシア人哲学者によるドストエフスキー思想研究の古典

人生の苦悩の中に光明が、救いがある。苦悩を苦悩として引き受けていく、そこにドストエフスキー作品の救いがあるとベルジャーエフは述べます。

ドストエフスキーは重くて暗い作品ばかり書いたというイメージが根強い作家ですが、それは真のドストエフスキーではないと彼ははっきり言うのです。ここに彼のドストエフスキー観の特徴があります。

クドリャフツェフの『革命か神か―ドストエフスキーの世界観―』と対比しながら読むとそれぞれの思想の違いが際立ってさらに面白くなります。