ゾラ『夢想』あらすじと感想~ゾラの描くファンタスティックな夢想と少女の恋。ゾラらしからぬ作風に驚きです

正直に申しまして、この作品は「ルーゴン=マッカール叢書」20巻中、読んでいて最も困惑する作品でした。

と、言いますのも、アンジェリックの夢想があまりにエキセントリックであり、しかもその夢想に沿う形で本当に王子様が現れて恋に落ち、さらにさらに王子様が駆け落ちまで申し込んでくるという、ゾラらしからぬファンタジー要素があまりに多い筋書きだったからなのです。

私にとってよくも悪くもこの作品は不思議なインパクトを与える作品でした。