ツルゲーネフ『ファウスト』あらすじと感想~ゲーテの『ファウスト』に影響を受けた恋愛物語
ツルゲーネフの後半生の作品は憂鬱な気分にさせるものが多いです。そのきっかけとなった時期がまさにこの頃であると言われています。
ここから「あきらめなければ」という諦念がツルゲーネフを強く覆っていくことになります。
この辺りも激情家ドストエフスキーとの大きな違いを感じさせられます。
ツルゲーネフは時代を俯瞰し、達観した賢者のごとく静かな憂鬱に身を任せます。
こうした違いが文学の上にも明らかに出てくるのだなと思いながら私はこの作品を読んだのでありました。