ユゴー『私の見聞録』~衝撃の実話が聞ける回想録!ユゴーの内面やレミゼの裏話を知れる作品!
この本は1840年代から1850年代半ばの『レ・ミゼラブル』執筆に大きな影響を与えた時期のユゴーを知ることができる作品です。
この本ではレミゼにつながるユゴーの体験がいくつも出てきます。
レミゼが生まれてくる背景やユゴーが当時何に関心を持ち、どのような行動を取っていたかをこの本では知ることができます。これはとても興味深かったです。とてもおすすめな一冊です。
この本は1840年代から1850年代半ばの『レ・ミゼラブル』執筆に大きな影響を与えた時期のユゴーを知ることができる作品です。
この本ではレミゼにつながるユゴーの体験がいくつも出てきます。
レミゼが生まれてくる背景やユゴーが当時何に関心を持ち、どのような行動を取っていたかをこの本では知ることができます。これはとても興味深かったです。とてもおすすめな一冊です。
徒刑囚として19年も服役したジャン・バルジャン。
そんな荒みきっていた彼はミリエル司教と出会い、新たな人生を歩むことを誓います。
ジャン・バルジャンはその後マドレーヌという名前で生活し、別の街で工場長、そして市長にまでなっていたのでした。
パリの貧困層出身だったジャン・バルジャンがなぜここまで成功することができたのか。よくよく考えれば不思議ですよね。徒刑囚だった頃とはまるで別人です。
今回の記事ではなぜジャン・バルジャンがここまでの成功を遂げることができたかをお話ししていきます。
コゼットはもはや世界で最も有名な少女と言っても過言ではありません。
困窮に苦しむファンテーヌの手を離れてテナルディエ家に預けられたコゼット。彼女はまるでシンデレラのようにこき使われ、いじめられていたのでした。
ですがミュージカルや映画を観た人はもしかしたら次のような疑問を持ったかもしれません。
「なぜテナルディエみたいな悪党の家にわざわざコゼットを預けてしまったのか」と。
この記事ではそんなコゼットとテナルディエ一家の背景を見ていきます。
ユゴーはこうした貧しい女性の問題、捨てざるをえなくなった子供たちの問題をこの作品で表現しています。ファンテーヌの悲惨は彼女一人だけでなく社会全体の悲惨でもあったのです。ユゴーはそんな社会を変革したいという願いもこの作品に込めていたのでありました。
ファンテーヌを知ることは当時のフランス社会が抱えていた問題を知ることにもなります。
こうした背景を取り込みつつミュージカルや映画の短い時間でそれを表現した製作陣のすごさには恐れ入るばかりです。ますますレミゼが好きになりました。
19年の徒刑生活で身も心も荒みきっていたジャン・バルジャンはミリエル司教の慈しみに触れ改心しました。
ミュージカルでは銀器を贈られ、見逃してくれたことでジャン・バルジャンはこれまでの生き方を悔い、新たな人生を生きることを誓いました。
ですが原作ではここからさらにもう一つの事件があったのです。ジャン・バルジャンが真に改心したのは実はその事件がきっかけだったのです。
ミュージカルでは時間の関係上このエピソードはカットされてしまいましたが、原作ではこの事件は非常に大きな意味を持った事件です。
当時のフランスは貧富の差が拡大し凄まじい貧困が蔓延していました。『レ・ミゼラブル』はこうした人々から生まれてきた物語でもありました。そしてその主人公ジャン・バルジャンがこうした環境から生まれてきたというのは非常に大きな意味があります。
ジャン・バルジャンは極度な貧困に苦しみ、家族が餓死しないためにパンを盗みました。
レミゼはここから始まるのです。
ジャン・バルジャンはミリエル司教の慈悲、優しさに触れ救われました。
そしてそのジャン・バルジャンはファンチーヌ、コゼット、マリユスにその慈しみを注ぎ、彼らもジャン・バルジャンに救われることになるのです。
慈しみが世代を超えて引き継がれていくことの大切さをユゴーはこの物語で示しています。
このようなメッセージを伝える上でもミリエル司教の存在はレミゼにおける重要な柱となっています。
ミュージカルではあまり目立たぬ存在ですがジャン・バルジャンの心の中にはいつもミリエル司教の慈悲があります。
この本はとにかく素晴らしいです。最強のレミゼ解説本です。
挿絵も大量ですので本が苦手な方でもすいすい読めると思います。これはガイドブックとして無二の存在です。ぜひ手に取って頂きたいなと思います。
また、当時のフランスの時代背景を知る資料としても一級の本だと思います。レミゼファンでなくとも、19世紀フランス社会の文化や歴史を知る上で貴重な参考書になります。
日本においてユゴーは『レ・ミゼラブル』で有名でありますが、フランスでは大詩人としてのユゴーの存在があり、激動のフランスを生き抜いた指導者としての顔があります。
そして国葬でパンテオンに葬られたことからもわかるように、単なるひとりの作家の域を超えて、フランスを代表する偉人として尊敬を集めている人物であります。
この記事ではユゴーについて書いたこれまでの14記事をまとめています。
前回の記事「ジャヴェールこそレミゼのもう一人の主人公である!愛すべき悪役ジャヴェールを考える」ではジャヴェール(ジャベール)こそ『レ・ミゼラブル』のもう一人の主人公であるということをお話ししました。
そして今回の記事ではそのジャヴェールがなぜ自ら死を選んだのかということを、レミゼの原作にたずねていきます。