エンゲルス

現代ロシアとロシア・ウクライナ戦争

アダム・ヒギンボタム『チェルノブイリ』~原発事故はなぜ起こったのか、ソ連の政治経済・官僚システムとの繋がりも知れる名著

この本は単にチェルノブイリ原発の事故そのものだけを語るのではなく、この事故が起きるそもそもの原因となったソ連の構造そのものについても多く言及しています。

これはものすごく興味深かったです。ソ連末期がどのような状態だったのかということもこの本で知ることができます。

ロシア・ウクライナ問題に揺れる今、原発の問題が強く注視されています。

日本も全く他人事ではない原発事故について大きな示唆を与えてくれる衝撃の一冊です。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(9)エンゲルス、兵役志願を利用しベルリン大学へ~ヘーゲル研究とバクーニン、キルケゴールとの出会い

エンゲルスはベルリンで兵役を務めながらもこっそり抜け出して、学問の中心ベルリン大学へと通っていました。

そして彼がそこまでして通い詰めたベルリン大学というのが、当時、ものすごい場所だったのです。

なんと、そこにはあのキルケゴールやバクーニンがいて、エンゲルスは彼らと机を並べてヘーゲルを学んでいたというのです。しかもこの数年前にはこの大学でマルクスとツルゲーネフも学んでいます。恐るべし、ベルリン大学。

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(8)シュトラウスからヘーゲルへ~なぜヘーゲル思想は青年たちの心を捉えたのか

無神論というと、何も信じていないかのように思われがちですが実は違うパターンもあります。

この記事で語られるように、無神論とは何も信じないことではなく、従来のキリスト教の信仰を否定し、新たな信条に身を捧げることでもありました。

当時、キリスト教の世界観を否定し、ヘーゲル思想に傾倒していった若者はたくさんいました。そのひとりがエンゲルスであり、マルクスでもありました。

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(7)シュトラウス『イエスの生涯』~青年たちのキリスト教否定と無神論への流れとは

エンゲルスを無神論へと向かわせた決定的な契機とは何だったのでしょうか。

この記事ではそうした問題を考えるべく、シュトラウスの『イエスの生涯』という作品とエンゲルスの出会いをお話ししていきます。

『イエスの生涯』は当時の急進的な青年たちに絶大な影響を与え、無神論へと導きました。これはマルクスも同じです。マルクスもこの作品から絶大な影響を受けています。

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(6)エンゲルス『ヴッパータールだより』~工場の劣悪な環境を18歳のジャーナリスト、エンゲルスが告発

エンゲルス18歳の時に発表された『ヴッパータールだより』。

後にお話しすることになりますが、この『ヴッパータールだより』のスタイルは後の『イギリスにおける労働者階級の状態』にも引き継がれ、そしてそれはそのままマルクスの『資本論』にも直結していきます。

ギムナジウムを退学し、大学にも行けなかったエンゲルスですが、やはり歴史を変える天才は何かが違います。マルクスの影に隠れてしまいがちですがその片鱗はすでにここに現われています。

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(5)エンゲルスの学業断念と資本主義のシステムを学んだブレーメンでの商人修行

想像力豊かで詩を愛していたエンゲルスが、自分の家業のために無理やり退学させられ、大学進学もあきらめなければならなかった。そして家業とはいえ、やりたくもない仕事の見習いを強制されられる日々。

こうした青年時代がエンゲルスの反抗心をさらに高めることになったのでした。

エンゲルスが政治活動にのめり込むきっかけをこの記事ではお話ししていきます。

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(4)ドイツロマン主義、疾風怒濤とは~マルクス・エンゲルスら青年たちに多大な影響を与えたロマン主義の洗礼

18世紀、19世紀のドイツ思想界に絶大な影響を与えたドイツロマン主義、疾風怒濤とはいかなるものなのか。

ゲーテ、シラー、ヘーゲル、ホフマン、ベートーベン、グリム兄弟など錚々たる顔ぶれが世に現れたこの時代の特徴をこの記事では見ていきます。

マルクス・エンゲルスもこうした時代の子として生れてきています。彼らの思想背景を知る上でも非常に重要なものとなっています。

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(3)エンゲルスの生地、工業地帯ヴッパータールの宗教事情とは

エンゲルスが育ったドイツの工業都市バルメンの宗教事情ははまさしくヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で語られることと重なっています。

ドイツにおいてエンゲルスがこうした環境の中で育っていたというのは驚きでした。

この記事ではそんなバルメンの宗教事情とエンゲルスの家庭環境、若きエンゲルスの宗教に対する見方をお話ししていきます。

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(2)エンゲルスの恵まれた家庭環境と故郷の町バルメン(現ヴッパータール)の社会事情とは

エンゲルスは1820年にドイツのバルメン(現ヴッパータール)という町で生まれました。

エンゲルス家は典型的な上流ブルジョワ家庭であり、綿工場の経営者の御曹司として何一つ不自由のない温かな家庭で生活していたのでした。

ドイツの新興工業地帯に生まれたエンゲルス。彼はここで工業化がもたらす悲惨な環境破壊や労働者の貧困を間近で見ながら育っていくことになります。

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(1)エンゲルスを学ぶ意味とは~マルクスに多大な影響を与えた人物としてのエンゲルス像

これから先、「マルクスとエンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ」シリーズと題して全69回、更新を続けていきます。これを読めばマルクスとエンゲルスの思想が出来上がる背景をかなり詳しく知ることができます。

そしてこれはマルクス・エンゲルスを知るだけではなく、宗教、思想、文化、政治、いや人間そのもののあり方についても大きな示唆を与えてくれるものになっています。