廣瀬陽子『コーカサス 国際関係の十字路』~現代コーカサス、ロシアの政治情勢を知るのにおすすめの参考書

北コーカサスのチェチェンについては多くの本がでていますが、ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャンの三国についてもわかりやすく解説してくれる本となるとなかなか貴重です。

この本は2008年に出版された作品ですので、2022年段階では最新の情報というわけではありません。ですがソ連崩壊から15年以上経った段階でのカフカースを知る上で今なお価値ある作品だと思います。

難しいコーカサス情勢をわかりやすく知れるおすすめな1冊です。

(39)マルクス・エンゲルスのイギリス亡命生活の始まり

フランス二月革命を経てマルクス・エンゲルスは共に政治犯として追われる身になっていました。

そこでマルクスは政治犯でも受け入れてくれるイギリスを亡命先として選ぶことになります。

エンゲルスもそうしたマルクスを追い、イギリスへと向かうことになったのでした。

そしてそこでのエンゲルスの決断がまた驚きです。やはり彼は矛盾をものともしない図太い神経があったのでした。

(38)1848年フランス二月革命の衝撃と革命の戦場に向かうエンゲルス

革命を待ちに待っていたマルクス・エンゲルスはブリュッセルにいてその場に立ち会うことができませんでしたが、彼らは歴史の必然としてやってくるであろうプロレタリアート革命に向けて政治活動を熱心に行います。

しかし1848年のフランス二月革命をきっかけにヨーロッパ各地で起きた革命はマルクス・エンゲルスが予想していた展開とは全く異なる動きを見せ始めるのでした。

W・アイザックソン『レオナルド・ダ・ヴィンチ』~映画化決定!人間ダ・ヴィンチを知れるおすすめ伝記!

ダ・ヴィンチがある種の巨大な才能を持っていたことは確かです。ですがだからといって私たちが彼を圧倒的な超人として遠ざけてしまっては大切なことを見逃してしまうことになります。私達はダ・ヴィンチから学ぶことができる。私たちも彼に習ってできることがあるのではないか。

そのような立場から著者はダ・ヴィンチを論じていきます。スティーブ・ジョブズの伝記を書いたアイザックソンらしい非常に刺激的な一冊でした。

元木幸一『笑うフェルメールと微笑むモナ・リザー名画に潜む笑いの謎』~笑顔とキリスト教とのつながりまで知れるおすすめ解説書

この本はタイトルにありますように、フェルメールとモナ・リザの笑顔を主題に、絵画史における知られざる笑顔の意味を探究していく作品です。

この作品で私が印象に残ったのはキリスト教における笑顔の意味です。

これは絵を観ただけではなかなか気づけないものではありますが、一度知ってしまったらその見え方が一変してしまうほどです。ぜひおすすめしたい作品です。

V・ベリゼ『ジョージアの歴史建築 カフカースのキリスト教建築美術』~ジョージア観光の予習におすすめ!

この作品はジョージアの独特な教会建築を余すことなく解説してくれる非常に貴重なガイドブックとなっています。

日本ではジョージアの教会についてはほとんど知られていませんが、その独特な構造や美しさは写真を見ただけでもどきっとするほどです。

そしてこの本では教会建築の解説だけではなく、教会を巡るための旅のガイドまで掲載してくれています。

これは貴重な1冊です。

『カフカース 二つの文明が交差する境界』~カフカースとロシア文学のつながりを知るのにおすすめ!

私がこの本を手に取ったのはトルストイ伝記の金字塔、藤沼貴著『トルストイ』でこの作品が紹介されていたからでした。

この作品はそれぞれの分野の専門家による共著になります。この本では文学だけでなく様々な観点からカフカースを見ていくことができます。

私はトルストイとの関係性からカフカースに関心を持つようになりましたが、入り口は人それぞれだと思います。そんな中多様な視点からカフカースを見ていくこの本の試みは非常に面白いなと思いました。

(37)マルクスのプロレタリアートは革命理論のために生み出された存在だったという衝撃の事実

今回の記事で紹介する箇所はマルクス主義を考える上で非常に重要な問題を提起していると思います。

マルクスは何のために共産主義を説いたのか。

本当に貧しい人を救うためだったのか。

なぜマルクスやエンゲルスは自説とは矛盾した行動を取り続けたのか。

こうしたことを考える上でも今回の箇所は私にとっても非常に大きなものになりました。

(36)マルクスの『共産主義者宣言』が出版直後には世間から無反応だったという驚きの事実

「ヨーロッパに亡霊が出没する―共産主義という亡霊が」

「万国の労働者、団結せよ!」

という言葉で有名なマルクス・エンゲルスの『共産主義者宣言(共産党宣言)』ですが、実は発刊当時はほとんど反響がありませんでした。

20世紀で最も読まれた書物のひとつとして有名なこの作品がなぜそんなことになってしまったのかをこの記事では見ていきます。

宮下規久朗『カラヴァッジョ巡礼』~イタリア現地観光に便利なおすすめガイドブック!

この本はイタリア各地にあるカラヴァッジョの作品をその地域ごとにまとめて紹介してくれる作品です。

地図でそれぞれの所蔵教会や美術館の位置もわかりやすく示してくれているので現地で巡礼をする際に役立つこと間違いなしです。

この本を読んでいるとそうした巡礼の厳かな雰囲気も伝わって来るようです。私もカラヴァッジョ巡礼をしたくてうずうずしてきました。