ドストエフスキーゆかりの地を巡る旅

秋に記す夏の印象~パリ・ジョージアの旅

(9)サクレクール寺院からパリを一望~ゾラ後期の傑作小説『パリ』ゆかりのモンマルトルの丘に立つ巨大な教会

前回の記事ではエミール・ゾラの『ルーゴン・マッカール叢書』ゆかりの地をご紹介しました。

そして今回の記事では『ルーゴン・マッカール叢書』を書き上げたゾラが満を持して執筆した「三都市双書」の最終巻『パリ』の主要舞台となったサクレクール寺院をご紹介していきます。

パリを一望できる絶景スポットとして有名なこの教会ですが、ゾラファンからするとまったく異なる意味合いを持った場所となります。この教会に対してゾラは何を思ったのか、そのことをこの記事で紹介していきます。

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(8)パリのゾラ『ルーゴン・マッカール叢書』ゆかりの地を一挙紹介~フランス第二帝政のパリが舞台

今回の記事では私が尊敬する作家エミール・ゾラの代表作『ルーゴン・マッカール叢書』ゆかりの地を紹介していきます。

『ルーゴン・マッカール叢書』はとにかく面白いです。そしてこの作品群ほど私たちの生きる現代社会の仕組みを暴き出したものはないのではないかと私は思います。

ぜひエミール・ゾラという天才の傑作を一冊でもいいのでまずは手に取ってみてはいかがでしょうか。そしてその強烈な一撃にぜひショックを受けてみて下さい。

『居酒屋』や『ナナ』は文庫本でも手に入りますのでぜひおすすめしたいです。

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(7)パリ下水道博物館~レミゼのジャン・ヴァルジャンが踏破した怪獣のはらわたを体験!その他ゆかりの地についても

今回のパリ散策において、マニアックながらも一般の方にぜひおすすめしたいスポットがあります。

それが今回ご紹介するパリの下水道博物館になります。

私の大好きな『レ・ミゼラブル』の主人公ジャン・ヴァルジャンはこのパリの下水道を踏破しマリユスを救います。

ですが当時のパリはすさまじい悪臭と汚物の都市として知られていました。しかも下水道はほとんど迷宮と化し人が立ち入ることさえ危険な魔窟でした。ジャン・ヴァルジャンが踏破したこの闇と汚染の世界を少しでも感じられるならと私はこの博物館に向かったのでありました。

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(6)パリ、バルザックゆかりの地巡り~ブローニュの森、バルザックの家、ペール・ラシューズ墓地へ

この記事では『ゴリオ爺さん』で有名なフランスの文豪バルザックゆかりの地を紹介していきます。

小説中で重要な意味を持つブローニュの森、そしてバルザックの家と、彼のお墓があるペール・ラシューズ墓地を順に見ていきます。

特にバルザックの家では彼愛用のステッキやコーヒーポッドも見れて大満足でした。

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(5)ナポレオンの墓があるアンヴァリッドへ~知れば知るほど存在感が増すナポレオンというカリスマについて

パンテオンでルソーやヴォルテール、ゾラ、ユゴーのお墓参りをした後に私が向かったのはアンヴァリッド。ここにはあのナポレオンが葬られています。

それにしても、アンヴァリッドの堂々たる立ち姿にはため息が出るほどです。これほどの建築物がある意味ナポレオンの墓石なわけです。そう考えるとナポレオンという人物がいかに巨大な人物だったかを思い知らされます。

この記事ではそんなナポレオンについてお話ししていきます。

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(4)パンテオンでフランス人の雄弁をからかうドストエフスキー~そして私はゾラとユゴーの墓参り

この記事ではドストエフスキーも訪れたパンテオンについてお話しします。

ここにはヴォルテールやルソーなどの哲学者やゾラやユゴーなど国民的な文学者のお墓があります。

そしてドストエフスキーは『冬に記す夏の印象』でこのパンテオンでのエピソードを記しています。これがすこぶるユーモアが効いていて面白いのでこの記事で紹介していきます。

ドストエフスキーというと暗くて厳めしいイメージがあるかもしれませんが、実は茶目っ気もある人物です。雄弁に酔いしれるフランス人とのやりとりは思わずくすっと笑わずにはいられません。

秋に記す夏の印象~パリ・ジョージアの旅

(3)シャンゼリゼ通りから凱旋門へ~パリの王道コースと凱旋門からの眺望

パリ滞在も始まりこれからいよいよパリの街を散策に出掛けます。となればやはりまず訪れたいのは凱旋門。定番中の定番ですが、まずはここを訪れ凱旋門の上からパリを眺めてみようという趣向であります。

この記事では凱旋門に絡めてナポレオンやバルザック、エミール・ゾラについてもお話ししていきます。

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(2)パリ最初の散歩。コンコルド広場からセーヌ川へ。パリジャンのさりげないオシャレ感にたじろぐ

パリに着いて初めての散策。私はコンコルド広場を通ってセーヌ川へ向かいました。

コンコルド広場はルイ16世やマリーアントワネットが処刑された場所としても知られています。

そしてホテルのフロントのパリジャンにすっかり影響を受けた私でありました。
ドストエフスキーやトルストイのように「さぁパリの街よ覚悟しておくがいい」という気概で臨むはずがいきなりそれをくじかれてしまった形。これから1週間私はパリに滞在します。私はこの街に何を思うのでしょうか。

秋に記す夏の印象~パリ・ジョージアの旅

【パリ旅行記】(1)ドストエフスキーとトルストイの眼で眺めるパリ~彼らはパリに対してどんな思いを持っていたのだろうか

ドストエフスキーは1862年、トルストイは1857年にそれぞれパリを訪れています。

彼らはそこで目にした出来事やそれらに対する思いを書き残し、後の作家活動の糧としていました。

この記事ではそんな二人を通して今回の私の旅についての思いをお話ししていきます。

秋に記す夏の印象~パリ・ジョージアの旅

上田隆弘『秋に記す夏の印象 パリ・ジョージアの旅』~ドストエフスキーとトルストイを学ぶ旅

2022年8月中旬から九月の中旬までおよそ1か月、私はジョージアを中心にヨーロッパを旅してきました。

フランス、ベルギー、オランダ、ジョージア・アルメニアを訪れた今回の旅。

その最大の目的はジョージア北部のコーカサス山脈を見に行くことでした。

私は「親鸞とドストエフスキー」をテーマにここ三年間研究を続けてきました。そして今年に入ってドストエフスキーをもっと知るために正反対の存在と言われるトルストイのことも学ぶことになりました。

そしてその過程で知ったのがこのコーカサスの山々だったのです。