(12)バーデン・バーデンでの賭博者ドストエフスキーの狂気~ドストエフスキー夫妻の地獄の5週間
ドレスデンで妻を一人残し、ホンブルクへカジノへ出かけたドストエフスキー。そこから彼は賭博熱に完全に呑み込まれてしまった・・・
ドイツ西部の有名保養地バーデン・バーデンへと移った二人。ドストエフスキーはここのカジノで狂ったようにルーレットにのめり込む。
今回の記事ではそんなドストエフスキーの狂気とアンナ夫人の絶望の日々を見ていく。
ドレスデンで妻を一人残し、ホンブルクへカジノへ出かけたドストエフスキー。そこから彼は賭博熱に完全に呑み込まれてしまった・・・
ドイツ西部の有名保養地バーデン・バーデンへと移った二人。ドストエフスキーはここのカジノで狂ったようにルーレットにのめり込む。
今回の記事ではそんなドストエフスキーの狂気とアンナ夫人の絶望の日々を見ていく。
ドレスデンでの平穏で幸福な日々を過ごしていた矢先、ついに悪魔の囁きがドストエフスキーをつつき始めます。
これから2人を苦しめ続けた、あのギャンブル中毒という恐ろしい悪魔がついに顔を出し始めたのです。「最悪のダメ人間」ドストエフスキーの始まりです。
ドストエフスキーは異国の街で妻を一人残しカジノに行ってしまったのでありました。
ドストエフスキー夫妻はベルリンに2日ほど滞在し、ほどなく次の街へ出発しました。彼らが目指したのはこの街の南に位置する古都ドレスデンです。
ここで夫妻は絵画や音楽を楽しみ暮らしました。
この記事ではそんな二人の様子と私の現地での体験をお話ししていきます。
『システィーナの聖母』や『アキスとガラテイア』という、ドストフスキー定番の絵以外のものも観れたので大満足でした。ドストエフスキーの絵の好みを知る上でも、様々な絵画を比べながら観ることができたドレスデン絵画館での体験はとてもありがたいものでありました。
ドストエフスキー夫妻は4月14日、ペテルブルクを出発しヨーロッパへと向かいました。
そのルートはベルリン、ドレスデン、バーデン・バーデン、バーゼル、ジュネーブ、ミラノ、フィレンツェ、ボローニャ、ベネツィア、プラハ、ドレスデンというもの(※経由地は除きました)。
出発当初は3カ月ほどの予定だった彼らの旅はなんと4年にも及びました。
この記事はそんな彼らの最初の滞在地ベルリンについてお話ししていきます。
前回の記事では心理描写の鬼ドストエフスキーも家庭ではどうしようもないただの夫にすぎなかったことを見ていきました。
誰にも理解されず、孤独を味わうアンナ夫人はいよいよ精神的に追い詰められていきます。
そしてついにコップの水が溢れるように、その時は来たのです。
彼女は悲しみあまり泣き崩れてしまうのでした。そしてこれが彼らの4年にもわたる西欧放浪のきっかけとなるのです。
この記事ではドストエフスキー夫妻が旅に出ることになったその顛末をお話ししていきます。
これまでドストエフスキーの経済状況、持病のてんかんと彼の抱える問題を見てきましたがその最後に彼の家庭環境を見ていきます。
実はアンナ夫人の新婚生活にとって最も苦しかったのがこの家庭環境だったのでした。
嫁いびりといえばよくあることのように思えてしまうかもしれませんがそこはあのドストエフスキー家です。やはり一筋縄ではいかない苦難をアンナ夫人は味わうこととなりました。
前回の記事ではドストエフスキーの経済状況についてお話ししましたが、彼の抱えていた問題は借金だけではありませんでした。
ドストエフスキーのてんかんは彼の代表作『白痴』の主人公ムイシュキン侯爵や『カラマーゾフの兄弟』のスメルジャコフを通して描かれています。特に『白痴』はアンナ夫人とのヨーロッパ旅行中に執筆されたものであることも意味深いです。ドストエフスキーは常にてんかんの発作に怯えて生きていかなければならなかったのでした。
前回の記事で見たように、めでたく結ばれた二人は翌1867年2月15日に結婚式を挙げ、同居をスタートします。
ですが案の定と言うべきか、幸せいっぱいに思われた新婚生活は問題が山積みでした。
この記事ではそんな二人の第一の問題である経済状況を見ていきます。この経済問題があったからこそ二人は後に西欧へと旅立たねばならなくなってしまったのです。
『賭博者』の執筆は順調に進み、期限までに完成することになります。
しかし、この仕事が終わってしまえばもう二人は今までのように会うこともなくなってしまいます。せっかく恋が芽生え始めたのにそれも終わってしまうのか・・・
さあ、どうするドストエフスキー!
そしてついに、彼は一世一代の大勝負に出ます。
・・・プロポーズだ!
そしてこのプロポーズが何ともドストエフスキーらしくてたまらない。
この記事では文豪ドストエフスキーの一世一代のプロポーズを紹介します。ぜひ彼のプロポーズを皆さんも見届けてください。
前回の記事ではドストエフスキーとアンナ夫人の出会いをお話ししました。
今回の記事ではそんな2人の恋の始まりについてお話ししていきます。
「・・・いつになったらあなたの旅行記は始まるんですか?」
まあまあ、まずは2人の馴れ初めから結婚までゆっくり見ていこうではありませんか。その方が必ずや旅の空気というものが伝わるというもの。今しばらくお付き合い願います。
では、始めていきましょう。