ドストエフスキー資料データベース

バフチンドストエフスキー論

バフチン『ドストエフスキーの詩学』~ポリフォニー論はここから始まった

『ドストエフスキーの詩学』 も前回紹介したシェストフの『悲劇の哲学』と同じくドストエフスキー研究の古典とされています。

この本の特徴はと言いますと、何といっても「ドストエフスキー作品はポリフォニー小説である」と定義した点にあります。

近年のドストエフスキー関連の書籍を読んでいると、そのほとんどに「ドストエフスキーの小説はポリフォニー的であり・・・」という解説がぽんと出てきます。

こうした有名な概念の起源をこの本では知ることができます

シェストフドストエフスキー論

シェストフ『悲劇の哲学 ドストイェフスキーとニーチェ』~『地下室の手記』に着目したドストエフスキー思想の古典 

ドストエフスキーの思想を研究する上で『地下室の手記』が特に重要視されるようになったのもシェストフの思想による影響が大きいとされています。そのためシェストフの『悲劇の哲学 ドストイェフスキーとニーチェ』はドストエフスキー研究の古典として高く評価されています。

『地下室の手記』と合わせて読むことでドストエフスキー思想の研究に役立つ作品です。

吉村善夫ドストエフスキー論

吉村善夫『ドストエフスキイ 近代精神克服の記録』~ドストエフスキーとキリスト教を学ぶならこの1冊!

吉村善夫『ドストエフスキイ 近代精神克服の記録』概要と感想~ドストエフスキーとキリスト教を学ぶならこの1冊! 本日は新教出版社出版の吉村善夫『ドストエフスキイ 近代精神克服の記録』をご紹介します。 著者の吉村善夫は信州大…

フーデリドストエフスキー論

フーデリ『ドストエフスキイの遺産』~ソ連時代に迫害されたキリスト者による魂のドストエフスキー論

フーデリの『ドストエフスキイの遺産』は、私の目を開かせてくれた書物でありました。

内容も読みやすく、伝記のようにドストエフスキーの生涯に沿って作品を論じています。作品理解を深めるという意味でも非常に懇切丁寧でわかりやすいです。

ロシア正教の宗教者としてのドストエフスキー像を知るにはこの上ない一冊です。

ぜひおすすめしたい一冊です。

森有正ドストエフスキー論

森有正『ドストエーフスキー覚書』~日本を代表するフランス文学者によるドストエフスキー論の名著

著者の森有正は1911年生まれの日本を代表するフランス文学者です。

森有正は自身から生まれてくるドストエフスキーへの思いをこの書で述べています。

それは単に知識や学問のためというのではなく、人生を生きる上で森有正自身の現実の問題として立ち現れてくるドストエフスキーとの対峙です。

作品のあらすじや解説を知りたいという方のドストエフスキー入門書としては厳しい本ではありますが、より深くドストエフスキーについて考えてみたいという方にはうってつけの名著であります。

ドストエフスキイの生活ドストエフスキー論

小林秀雄『ドストエフスキイの生活』~日本を代表する批評家による刺激的なドストエフスキー論!

この評論の特徴は E・H・カー『ドストエフスキー』 の伝記を参考にしながら、小林秀雄独自の感性でドストエフスキーを論じていくというところにあります。

小林秀雄の文章の魔力と申しましょうか、やはりこの方の言葉には何かよくわからないが人の感情を揺さぶるような謎の力があります。日本の文学青年から絶大な支持があったのも頷けます。批評の神様と呼ばれる所以をこの本から感じることが出来ました。

評伝ドストエフスキードストエフスキー論

モチューリスキー『評伝ドストエフスキー』~圧倒的な情報量を誇るドストエフスキー評伝の金字塔!

『評伝ドストエフスキー』は1947年にロシア語で出版され、瞬く間に多くの国で翻訳され「あらゆる言語で書かれたドストエフスキー文献のうちもっともすぐれた研究書」と呼ばれるようになりました。

ロシア正教の教義と実践に詳しいモチューリスキーによる詳細な作品解説がこの評伝の最大の特徴です。

この評伝はドストエフスキーを研究する際にものすごくおすすめです。

ドストエフスキードストエフスキー伝記

おすすめドストエフスキー伝記一覧~伝記を読めばドストエフスキーのことが好きになります。

ドストエフスキーは小説作品の面白さもさることながら、ドストエフスキーその人自身が1番面白いのではないかとも言えるのかもしれません。

ぜひ、ドストエフスキーの伝記を手に取って頂けたらなと思います。

ドストエフスキー作品の見え方がきっと変わることでしょう。

アンナの日記ドストエフスキー伝記

ドストエーフスカヤ『ドストエーフスキイ夫人 アンナの日記』~ドストエフスキーのギャンブル中毒による悲惨な生活を知れる第一級の資料

この日記にはドストエフスキーの狂気がとことんまで描かれています。

賭博に狂い、有り金全てを賭けては負け、挙句の果てに結婚指輪まで質に入れ賭博場へと駆け出していくドストエフスキー。

アンナ夫人の日記にはそんな夫を見送る悲しさややるせなさ、憤りが涙と共に記されています。この時のドストエフスキーはまさしく究極のダメ人間です。

もはや壮絶としか言いようがないです。並の小説を読むよりはるかに劇的でショッキングなものになっています。

回想のドストエフスキードストエフスキー伝記

アンナ・ドストエフスカヤ『回想のドストエフスキー』~妻から見た文豪の姿とは。これを読めばドストエフスキーが好きになる!

こちらはドストエフスキーの奥様アンナ夫人によって書かれた回想記で、私はこの本を読んでドストエフスキーを心の底から好きになりました。

ギャンブル中毒になりすってんてんになるダメ人間ドストエフスキー。生活のために苦しみながらも執筆を続けるドストエフスキー、愛妻家、子煩悩のドストエフスキーなど、意外な素顔がたくさん見られる素晴らしい伝記です。ぜひ読んでみて下さい。きっとドストエフスキーのことが好きになります!