ユゴー『死刑囚最後の日』あらすじと感想~ユゴーの死刑反対への思いが託された渾身の小説
ユゴーは生涯、死刑に反対し続けていました。
そんな彼の思いを死刑執行の瞬間を待つ死刑囚の手記という形を取って作品にしたのがこの小説です。
興味深いことにロシアの文豪トルストイも死刑執行に対して非常に嫌悪を抱いた人物です。彼もパリで見た死刑執行に激しい怒りを感じたと言われています。
当時の死刑執行は民衆の見世物になっていました。多くの人間がそれを見ることを娯楽として楽しんでいたのです。
そんな中でユゴーとトルストイは民衆とはまったく異なる目でそれを見つめていたのでした