2020年9月

死刑囚最後の日フランス文学と歴史・文化

ユゴー『死刑囚最後の日』あらすじと感想~ユゴーの死刑反対への思いが託された渾身の小説

ユゴーは生涯、死刑に反対し続けていました。

そんな彼の思いを死刑執行の瞬間を待つ死刑囚の手記という形を取って作品にしたのがこの小説です。

興味深いことにロシアの文豪トルストイも死刑執行に対して非常に嫌悪を抱いた人物です。彼もパリで見た死刑執行に激しい怒りを感じたと言われています。

当時の死刑執行は民衆の見世物になっていました。多くの人間がそれを見ることを娯楽として楽しんでいたのです。

そんな中でユゴーとトルストイは民衆とはまったく異なる目でそれを見つめていたのでした

ノートルダムフランス文学と歴史・文化

ユゴー『ノートル=ダム・ド・パリ』あらすじと感想~ディズニー映画『ノートルダムの鐘』の原作

『レ・ミゼラブル』がドストエフスキーにとって非常に思い入れのある作品であるということはお話ししましたが、まさか『ノートル=ダム・ド・パリ』も彼とここまで深い関係があるとは驚きでした。

やはり彼にとっても『ノートル=ダム・ド・パリ』はそれほど面白い作品であるということなのでしょう。

最後はまさかと思うほどの悲劇的な終わり方を迎えてしまい、ずーん…としてしまいますが心に与える衝撃というのはものすごいものがあります。私にとってもとても印象に残った作品となりました。