2020年6月

フランスフランス文学と歴史・文化

ナポレオン以後のフランスの流れをざっくりと~フランス七月革命と二月革命

この記事ではナポレオン以後のフランス、具体的にはナポレオン失脚後の1815年から二月革命という出来事が起こった1848年までの流れをざっくりとまとめていきます。

なぜドストエフスキーを知る上でこの時代のフランスの歴史を学ぶ必要があるのかと言いますと、この時代はまさしく彼の青年期と同時代であるからです。

彼の青年期はフランス文学と共にあったと言ってもよいほど、フランス文学に浸った生活をしていました。この時期のフランスを学ぶことはドストエフスキーを知ることにも繋がります。

罪と罰フランス文学と歴史・文化

やはり『罪と罰』は面白い…!ナポレオンという切り口からその魅力を考える

私がドストエフスキーにおいて「面白い」という言葉を使う時は、アハハと笑うような「面白い」でもなく、あ~楽しかったいう「面白い」とも、スカッとするエンタメを見るような「面白い」とも違います。

時間を忘れてのめり込んでしまうような、それでいてなおかつ、読んだ後もずっと心にこびりつくような、そういう読後感があるような面白さを言います。

『罪と罰』にはそのような面白さをもたらしてくれる思想的な奥行きがこれでもかと描かれています。

そのひとつがラスコーリニコフの言うナポレオン思想です。

コレンクールフランス文学と歴史・文化

コレンクール『ナポレオン ロシア大遠征軍潰走の記』~ナポレオンのロシア遠征を詳しく知るならこの1冊 

著者のコレンクールはナポレオンのロシア遠征を最も近くで見ていた人物です。

この本ではロシア遠征においてナポレオンが何を考え、どう行動したかを知る上ではこの上ない記録です。

特に、書名にもありますようにナポレオン軍のモスクワからの無残な敗走の姿をこれでもかと描写しています。

この本はナポレオンのロシア遠征の流れを学ぶのに最適の書です。

ナポレオンフランス文学と歴史・文化

ナポレオンのモスクワ遠征と冬将軍、栄光からの転落~ドストエフスキー『罪と罰』とナポレオンの関係を考察

今回はいよいよ大詰めです。いよいよナポレオンとドストエフスキーの祖国ロシアとの対決です。

ドストエフスキーの『罪と罰』の主人公ラスコーリニコフとナポレオンの関係をテーマに、ここまで長々とナポレオンの歴史をたどってきました。

改めてラスコーリニコフの言葉を読んでみると、ナポレオンの激動の流れを絶妙に言い表しているなと感心してしまいます。

ナポレオンフランス文学と歴史・文化

ナポレオンのエジプト遠征と皇帝即位~ドストエフスキー『罪と罰』とナポレオンの関係を考察

今回の記事でも前回に引き続きナポレオンについてお話ししていきます。

ナポレオンはパリでの反乱を圧倒的な力で鎮圧、ここから獅子奮迅の働きで対外戦争にも連戦連勝していきます。

ここからのナポレオンの動きを知るためにはフランスと諸外国の状況を知る必要があります。

この記事ではそんなヨーロッパ情勢を見ていきます。

ナポレオンフランス文学と歴史・文化

ナポレオンってどんな人?その出自と下積み時代 ドストエフスキー『罪と罰』とナポレオンの関係を考察

ナポレオンといえばその知名度は抜群ではあるものの、実際にいつ頃活躍し何をした人物かと問われれば意外とこれに答えるのは難しいのではないでしょうか。

正直に申しますと、今回フランスのことを学ぶまで私もよくわかっていませんでした。知れば知るほどなるほどなるほどと面白い発見でいっぱいでした。

ルフェーブルフランス文学と歴史・文化

G・ルフェーヴル『1789年―フランス革命序論』~なぜフランス革命は起こったのかを詳しく学べる名著!

フランス革命は、知れば知るほど面白いです。とんでもなく背景が入り乱れています。

そしてその一つ一つを紐解くことで歴史の流れがまた違った姿を見せてきます。

前回ご紹介しました神野正史『世界史劇場 フランス革命の激流』は革命そのもの流れを知るには最適な一冊でしたが、今回のルフェーブルの著作はそもそもこの革命が起こる背景は何だったのかをさらに詳しく知ることができます。

この2冊の相乗効果は素晴らしいものがあると私は思います。

フランスに興味のある方にぜひおすすめしたいです。

神野正史フランス文学と歴史・文化

フランス革命とはどんな出来事だったのかをざっくりご紹介~神野正史著『世界史劇場 フランス革命の激流』を参考に

フランス革命とは一体どんな出来事だったのか。

教科書的な解説では「1789年に勃発した、パリ市民による絶対王政を打倒した革命」ということになりますでしょうが、実際これでは何のことだかあまりわかりません。

今回は前回に引き続きベレ出版の神野正史『世界史劇場 フランス革命の激流』を参考にフランス革命とはどんな出来事だったかをお話ししていきたいと思います。

神野正史フランス文学と歴史・文化

神野正史『世界史劇場 フランス革命の激流』~フランス革命のなぜと流れを知るならこの入門書!

この本は読んでいて本当にわかりやすいです。なぜその出来事が起こったのか、そしてそこからどう展開していくのかという歴史の流れを知ることができます。

この本はフランス革命の入門書として最適です。

歴史の勉強といえば、年号と人物などの暗記がメインだった学生時代。

これでは歴史の本当の面白さやその意義は見えてきませんよね。この本はその歴史というものに対する先入観も破壊してくれます。

カラムジンロシアの歴史・文化とドストエフスキー

カラムジン『ロシア人の見た十八世紀パリ』~憧れの都パリを見たロシア人文学者が受けた衝撃とは

カラムジンのこの本ではロシア人から見た憧れの都パリの圧倒的な魅力と負の側面、そして彼の見たパリの人々についての印象が率直に語られています。

華やかで美しい都パリのもうひとつの姿、それが悪臭と汚物まみれのパリでした。

パリは当時最も繁栄していたものの、同時にその繁栄による負の側面も尋常ではなかったのです。

これは意外と知られていない事実であります。

ロシア人たるカラムジンから見たパリの街並みは非常に興味深いものがありました