ピエール・パスカル『ドストエフスキイ』~キリスト教的な視点から描かれたコンパクトなドストエフスキー伝
ピエール・パスカルはこの伝記でドストエフスキーがいかにキリスト教から影響を受けていたのかということを検証していきます。
ドストエフスキーを理解するにはキリスト教の理解は避けて通れません。しかし、伝記においてそのことにフォーカスしている作品は意外と多くはありません。
伝記の本文もおよそ150Pほどと、分量もお手軽です。ドストエフスキーと宗教について関心のある方におすすめな伝記です。
ピエール・パスカルはこの伝記でドストエフスキーがいかにキリスト教から影響を受けていたのかということを検証していきます。
ドストエフスキーを理解するにはキリスト教の理解は避けて通れません。しかし、伝記においてそのことにフォーカスしている作品は意外と多くはありません。
伝記の本文もおよそ150Pほどと、分量もお手軽です。ドストエフスキーと宗教について関心のある方におすすめな伝記です。
カーの筆はどこか一歩引いたような冷静な視点です。正直、ところどころ、冷たすぎるんじゃないかと思ってしまったところがあるくらいです。
ですがその代わり過度にドストエフスキーを神格視したり、不当に貶めるようなこともしません。いいところも悪いところも含めて、出来るだけ客観的に資料を分析していくという姿勢が感じられます。
作者のグロスマンは1888年にオデッサで生まれたソ連の著名な学者です。 グロスマンはこの伝記でドストエフスキーが何を読んで何を考え、そこから何を生み出したのかにフォーカスしてくれます。 そういう意味でこの伝記は硬派な見た目の通り、ドストエフスキーを研究しようとする際にとても役立つ伝記であるのではないかと思います。
アンリ・トロワイヤの伝記の特徴は物語的な語り口にあります。
読み進めている内にいつの間にかドストエフスキーに感情移入してしまい、最晩年のドストエフスキー栄光の瞬間には涙が出そうになりました。もはや感動的な物語小説を読んでいるかのような感覚です。
苦労人ドストエフスキーの人生がまるで映画を見ているかのように目の前を流れていきます。
非常におすすめなドストエフスキー伝記です。
この記事では今後の方向性とドストエフスキー研究について思うことをお話ししていきます。
ドストエフスキー全集を2019年の8月から読み始めた私でしたが、いざドストエフスキーのことを知ろうとするにあたってまず私が困ったのが「何から読み始めればいいのかがわからない」ということでした。
ドストエフスキーはあまりに有名で、あまりに巨大な作家です。
そのため参考書の数も膨大で、しかもそれぞれ述べていることが全く違ったりします。なぜそういうことが起こるのでしょうか?では私たちはどうしたらいいのでしょうか?そうしたことをこの記事では考えていきます。
親鸞とドストエフスキー。
平安末期から鎌倉時代に生きた僧侶と、片や19世紀ロシアを代表する文豪。
この全く共通点のなさそうな2人が実はものすごく似ているとしたら、皆さんはどう思われるでしょうか。
と、いうわけで、この記事では親鸞とドストエフスキーの共通点についてざっくりとお話ししていきます。
ドストエフスキー全集を読み始めた私でしたが、そのどぎつさ、膨大な量に苦しむことになりました。
ですが、ある時から急にそれが変わっていきます。
そして伝記や参考書も駆使して2周目に突入するとそれまでとは違うドストエフスキーを感じるようになりました。
人間のどす黒さをこれでもかと暴き出すドストエフスキーに、優しさを感じ始めたのです。
『カラマーゾフの兄弟』を学生時代以来、9年ぶりに読み返してみて私は驚きました。
やはりこの小説はすごい・・・!
初めて読んだ時に衝撃を受けた箇所はもちろん、前回そこまで目に留まらなかった箇所でも「こんなことが書かれていたのか」と新たな感動を受けました。
そしてちょうどその時に読んでいたもう1冊の本、小林秀雄の『読書について』が私の道筋を決定づけることになります。
この本がきっかけで私はドストエフスキーに完全にのめり込むようになったのでした。