本日のお題「なぜお葬式の時に法名や戒名をつけるの?」

仏教コラム・法話

皆さんこんにちは。

今回は前回に引き続き、法名、戒名についてお話ししていきたいと思います。

さて、前回は 、

「修行をして救われていく道が戒名、阿弥陀仏のはたらきによって誰しもがこの身このままで救われていく道が法名 」

ということをお話しさせて頂きました。

法名と戒名を付けるということは、新しい人生を生きるということを意味します。

ですがここでひとつ疑問が浮かんできます。

「新しい人生を生きるのが法名、戒名というのはわかった。でもなぜお葬儀の時に法名や戒名をつけなければならないの?」

そうなのです。

命を終えていった人たちに対してなぜ法名戒名を付けなければならないのか。

これはなかなか難しい問題であります。

ですがこの問題にあえてざっくりと答えるならば、次のように申すことができるでしょう。

「法名戒名をお葬儀で付けるのは・・・あの世で修行するため」

・・・いかがでしょうか。みなさん、ピンと来ますでしょうか。

さて、早速これはどういうことかを見て参りましょう。

まずこれまでお話ししてきましたように、本来、戒名は出家し修行するときに付ける名前であります。

しかし現代日本ではたいていの場合、お葬儀の時に付けることになります。

これは故人が命を終えてあの世へ渡り、その先で仏様になるために仏道修行をしているという死生観があるためです。

死者は死後仏様になるためにあの世で仏道修行をしています。そして仏様と成ってあまねく人を救わんと願っておられます。

つまり、あの世で出家修行をしているのです。

となると必要になってくるのが例の戒名なのです。

仏教としては本来は生前に出家して戒名を頂き修行するのがベストです。しかしそれはそれぞれの生活もあり誰にでもできることではありません。

だからこそ命を終えて次の生が始まるお葬儀の時に戒名を付けるのです。

戒名がなければ出家修行はできません。

というわけでお葬儀の時に戒名を付けるのです。

そして今度は法名です。こちらは前回もお話ししましたように他宗派さんとは異なる死生観の下出来上がった名前です。

浄土真宗では救われるための出家修行という形を取りません。そしてさらに重要なのは浄土真宗では死後すぐに仏様になるという死生観があります。

他宗派さんの「死後に修行をして長い時を経て仏様になっていく」という考え方に対し、浄土真宗では死後、いや死のその瞬間に仏様に成り、その後はお浄土から私達を見守って下さると考えます。

ここに浄土真宗の特徴があります。

死者がすぐに仏様に成り、私たちを見守って下さる。このように浄土真宗では考えているのです。

亡くなった人に対して「仏さんになった」、「成仏した」という言葉が使われるのはここから来ているものが大きいと思われます。

さてここで法名とは何かを改めて思い返してみましょう。法名を付けるということは 、仏様の教えを聴き、仏様のはたらきの下生きていくということを意味しています 。

浄土真宗ではあの世に行ってからも修行をするということはしませんが、仏様の教えを聴き、仏様のはたらきの下生きるというあり方は変わりません。

というわけでお葬儀の時に法名を付けることになるのです。

まとめ

さて、ここまでなぜお葬儀の時に法名や戒名を付けるのかということをお話ししてきました。

そしてその答えは「死後の世界で仏道修行をしているから、また仏様のはたらきの下生きているから」ということでありました。

法名戒名も単なる漢字の連なりではありません。一つ一つの漢字に意味が込められた大切な名前であります。

名前というものには付ける人の願いが込められています。

法名も一緒です。

新たな自分は何を目指してどのように生きていくのか。その願いが込められているのが法名なのです。

法名は戒名とは違い、誰でも望めば生前から付けることが出来ます。

ですので出来ればお葬儀の時に付けるのではなく、自分が生きている内に付けることをお勧めします。

お手次のお寺のご住職に問い合わせて頂けましたら相談に乗って下さると思います。

では、本日はここまでとさせて頂きます。まだまだお話しし足りない部分もありますがそれはまたの機会にお話しさせて頂けたらなと思います。

本日も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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