本日のお題 「神様と仏様の違いって何?(前編)」
みなさんこんにちは。函館にもようやく春の兆しが見られるようになってまいりました今日この頃ですが、早速本日もお題に入っていきたいと思います。
さて、本日のお題はこちらでございます。
「神様と仏様の違いって何?」
私達にとって、知っているようであまり意識しないのがこの神様と仏様の違いです。たとえば、このような言葉を聞いたことがありませんか?
「神様仏様どうかお救いください」、「あぁ、神も仏もない世の中だ」
みなさん、私たちの生活をよくよく思い返してみると、神様と仏様がセットで語られることが多いような気がしたりはしませんか?
神様と仏様は似たようなものというのはなんとなくイメージ出来ると思います。ですがそのどこに違いがあるのかと改めて問われるとなかなかはっきりとしないのではないかと思います。
では、この問いについてざっくりと答えるならばこうなります。
「神様は日本出身で、仏様はインドが出身地である」
今回のこの問いに対して、おそらく以下のような答えを想定された方も多いのではないでしょうか。
「神様は神社にいて、仏様はお寺にいる」
たしかに最もシンプルに答えるのならば、この答えも間違いではありません。しかしこの答えの厄介なところはお寺にも神を祀っているところもあれば神社の中に寺の施設があったりと寺と神社が一体となっている場合が多々あるという点です。
というわけで今回はそこからもう一歩踏み込んで、そもそも神様と仏様は何者なのかという点からお話を進めていきたいと思います。
まず日本人には八百万の神という考え方が古くより根付いていました。これはあらゆるものに神が宿っているという考え方です。
例えば、山には山の神様がいて、海には海の神様がいる。川の神様もいれば空の神様もいる。そしてその無数の神々はそれぞれ得意にしている分野があります。
五穀豊穣をもたらしたり、無病息災をもたらしたり、商売繁盛の神や戦いの神もいます。代表的な神様は伊勢神宮の天照大御神や縁結びで有名な出雲神社の大国主命という神様がおられます。
このように日本で生まれた神々を日本人は「神様」とひとくくりにして呼んでいました。
しかしある時を境に状況は一変します。それが西暦538年の仏教伝来です。仏教はインドで生まれその後長い時間を経て中国に伝わり、そこから朝鮮半島を経由して日本に伝えられました。
先にも述べたように当時の日本人は神はあらゆるところにいて、無数に存在するものと考えていました。そのため朝鮮から伝わってきた仏様は、
「インドから来た神様」
と捉えられるようになります。もちろん、仏様とお呼びはするものの、それは神様の名前としての「仏様」でした。
ですがこのインド出身の仏様もすんなり日本に溶け込んだわけではございません。外来種の存在によって固有の生態系が乱れるように、インド出身の仏様をめぐる混乱が当時の日本でも起こりました。
その中心となったのが蘇我氏と呼ばれる一族です。
この蘇我氏という一族、大化の改新で中大兄皇子と中臣鎌足に打ち滅ぼされた蘇我入鹿を生んだ一族です。そうです、日本史の教科書で必ず出てくるあの蘇我氏です。
この蘇我氏を中心にして仏様が日本に定着していく歴史が進行していきます。
その歴史は引き続き次の記事でお話しさせていただきたいと思います。
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
合掌